インプラントの基礎知識

近代インプラント治療のルーツ

インプラントのはじまり

インプラントのはじまり

インプラント治療の歴史でもお話したとおり、インプラントのはじまりは古代にまでさかのぼり、インカ文明やエジプト文明においても、インプラント治療のような痕跡が発見されています。
近代に入ってからは、1913年にグリーンフィールドが円筒型のインプラントを開発し、これが近代インプラントの幕開けとなりました。
その後1930年代にはスクリュー型インプラントが開発され、また1940年代に入ると今度はらせん型のインプラントが開発されました。
しかし、いずれも術後の経過は極めて悪かったと言われています。

ブローネマルク博士の大発見

ブローネマルク博士の大発見
1952年、スウェーデンのP.Iブローネマルク博士による画期的な発見によって、インプラントは進化を始めます。
スウェーデンのルンド大学医学部で、応用生体工学研究所の所長だったブローネマルク博士は、骨を治療する過程で骨髄が果たす役割について研究を行っていました。
ある日彼はチタン製の生体顕微鏡用の器具を、ウサギのすねの骨に埋め込みました。しかし実験を終えて、器具を取り出そうとしたところ、器具は骨とくっついて離れませんでした。この偶然の出来事から、博士は「チタンと骨が強固に結合をすること」を発見しました。
その後、イヌの顎にチタン製インプラントを埋め込む実験をするなど、様々な研究を続けていきました。
そしてついに、チタン製インプラントが骨と強固に結合することを確信しました。博士はこれを「オッセオインテグレイション(osseointegration)=骨結合」と名づけました。

人体への応用

1965年、博士の研究は人間への応用へと発展していきました。
人間で初めてインプラントの治療を受けた人は、ヨスタ・ラーソンという30歳代の男性でした。
彼のインプラントは、彼が亡くなるまで40年間もの間、問題なく機能したそうです。
ただこの時は、博士自身が歯科医ではなかったことが災いし、歯科医師会で公に認められることはなく、残念ながら広く普及することはありませんでした。

ついに世界で認められた

ついに世界で認められた

1978年、アメリカのハーバード大学とアメリカ国立衛生研究所が共同で、世界初の「歯科インプラント会議」を開きました。この会議において、歯科インプラントの評価基準が定められました。
その後も会議は行われ、1982年、トロントで行われた会議でインプラント治療の症例術後15年の経過が報告され、歯科界に大旋風を巻き起こしました。
これがきっかけによりインプラントは、北アメリカを中心にどんどん普及して行きました。

そして1998年、博士はチタン製インプラント治療の実績によって、スウェーデン政府からグランドプライズ賞を授与されました。
現在のインプラントのほとんどはチタンでできています。
チタンは生体親和性が高く、生物の身体に用いても拒否反応や金属アレルギーを起こさない優れた素材です。
おそらく今後も、チタン以上にインプラントに適した素材は出てこないでしょう。
チタンはそれほどインプラント材として他に類をみない特質を持っているのです。

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